今回のテーマ
「専門実践教育訓練給付制度」について紹介していきたいと思います!
この制度は、資格取得の勉強するための資金を国が補助してくれるというものになります。
条件を満たしていれば、かなりの金額を補助してもらうことが可能なので、キャリアアップや転職、フリーターからの脱出を考えている方にはオススメの内容となります。
私がこの制度のことを知ったのは、フリーターをしながらバックパッカーをしていたときでした。
言語聴覚士になる方法を調べていた際に、国が資格取得を補助してくれるかもしれないということを知りました。
それが、「専門実践教育訓練給付制度」という制度でした。
バックパッカーを辞め、2年間で必要な学費を貯めて、この制度を使い2019年4月から東京の2年過程で言語聴覚士を養成する専門学校へ入学し、国家資格を取得しました。
私の実体験を元に「専門実践教育訓練給付制度」についてわかりやすく紹介していきたいと思います!
専門実践教育訓練給付制度ってどんな制度?
制度の内容
厚生労働省のページを見てみるとわかりづらく書かれているので、ここでは噛み砕いて説明したいと思います。
現在、働いている方で以下の方が対象になる制度です。
または、
・2年以上の雇用保険の被保険者だった者
つまり、厚生労働省から認可を受けている学校で実施されている講座を受講し、資格の勉強をすると国から金銭的な支援を受けられるというものになります。
資格を取りスキルアップや転職をする方をサポートしてくれる、ありがたい制度なんですね。
受給資格
この制度を初めて使う方向けに紹介していきます。
受給資格をチェックするポイントとして以下が必要です。
・すでに離職していた場合、離職後の期間がどれくらいかあったか?
なぜなら、厚生労働省が定める資格条件は次のようになるからです。
・2回目以降この制度を利用する場合は被保険者期間が3年間必要。
・離職してから1年以上経過すると被保険者期間がリセットされる。
ですので、この条件を満たしている必要があります。
雇用保険の状況は自分で確認もできるでしょうが、念の為ハローワークに問い合わせをしてしっかり確認をしたほうがいいと思います。
準備を初めて、実は要件がちょっとだけ足りてませんでした!みたいな勘違いがあるとマズイので。
どれくらい支給される?
専門実践教育訓練給付金の支給額は、
ここで注意が必要なのが、
勘違いしないようにしましょう。
また、専門実践教育訓練の修了後1年以内に目標となる資格を取得等して雇用保険の被保険者となる就職をした場合は、
つまり卒業して1年以内に資格を取得したらお祝い金として残りの20%が追加で支給されます。
僕の場合だと2年間学校へ通い、1年以内に言語聴覚士の国家資格を取得して就職を果たせば合計で96万円が支給されることになります。
申請の方法
申請のまでの流れを簡単に紹介します。
「教育訓練給付金および教育訓練支援給付金受給資格確認票」と学校から発行してもらえる受講証明書を提出。6ヶ月に1度のタイミングで申請。申請期間は申請日の1ヶ月前から可能。
という流れになります。
注意が必要なのが、
④~⑤はハローワークで事前に相談しておけば
キャリアコンサルティングの受講場所と予約、必要な提出書類と今後の流れなどを詳しく説明してもらえます。
⑦は支給申請期間内にちゃんと勉強してましたよ!という受講証明を学校で発行してもらい、「教育訓練給付金および教育訓練支援給付金受給資格確認票」と一緒にハローワークに提出します。
ただし、
また、実際に支給が開始されるのは学校の受講証明が発行された後になるので、受講開始から6ヶ月後になるので注意しましょう。
訓練中に併用できる教育訓練給付金制度とは?
制度の内容
先ほどチラッとでましたが
「教育訓練給付金および教育訓練支援給付金受給資格確認票」というものを渡されます。
実は専門実践教育訓練給付金とは別にもうひとつ利用できる制度があるということなんです!!
わかりやすく説明すると卒業するまでの間、毎月失業保険のようなものが支給されるというイメージです。受給資格は少し厳しくなりますが、働いていた多くの人は利用できると思います。ここで気になるのが、失業保険受給中は併用できるのか?という点です。
ズバリ、併用はできません。なので、
という流れになります。
なので、注意しなければならないのが、待機期間です。この間は教育訓練支援給付金はでません。なぜなら失業保険受給中という扱いの枠になるからです。勘違いをしないようにしましょう。
僕は盛大に勘違いしていました。
受給資格
・専門実践教育訓練給付金の受給資格者である。
・1年以内に専門実践教育訓練を開始する。
・専門実践教育訓練の受講時に45歳未満である。
・受講する専門実践教育訓練の講座が通信制および夜間制でないこと。
・受給資格確認時に一般被保険者ではないこと。また、一般被保険者でなくなった後に短期雇用特例被保険者または日雇労働被保険者になっていないこと。
・会社などの役員に就任していないこと。活動や報酬が無い場合はハローワークで確認が必要。
・自治体の長に就任していないこと。
・今回の専門実践教育訓練の受講開始前に教育訓練支援給付金を受けたことがないこと。
結構たくさん条件がありますが、大事なのは
・被保険者ではない
・受講開始時に45歳未満
・一度も教育訓練支援給付金を受給したことがない
くらいでしょうか。
人によって状況が違うので、ハローワークに問い合わせしてみるのがいいと思います。
どれくらい支給される?
人によって異なりますので、ここからは目安でお話します。
離職前の給料が20万円程であれば日額は3800円満たないくらいになると思われます。
これが×28日(1ヶ月分)なので2ヶ月で20万円程支給される計算になります。
ちなみに失業保険の基本手当て支給中は100%まるまる支給されるので若干もらえる金額は増えます。ですので2ヶ月で15~20万円程と見積もっておけばだいたい平均かと思われます。
申請の方法
①に関しては専門実践教育訓練受講開始日以降に離職票・雇用保険被保険者証が届く場合がありますが、提出が遅れれば遅れるほど支給が遅くなるので早めに処理しましょう。
失業保険の基本手当ても教育訓練支援給付金も認定日はハローワークで決まります。認定日に学校があり、行けない場合は事前にハローワークと相談する必要があります。
ちなみに学校帰りに申請が間に合うようであれば、都合のいいハローワークへ管轄を変更してもらうこともできます。
実際僕は、山梨県のハローワークで専門実践教育訓練給付金の登録を行い、教育訓練支援給付金の登録と毎回の認定日の申請は東京のハローワークで行っています。
引越しをすることが決まっていたので、学校の近所のハローワークに管轄を移管する手続きをしました。ハローワークによって移管手続きが異なるようなので、とりあえず現在のハローワークで相談してみて下さい。
言語聴覚士になる為に実際に使ってみた
受給資格の確認
僕の状況は
最終学歴が大卒。H28.8.1~H31.3.31の2年8ヶ月間の被保険者期間。年齢は退職時に満30歳。専門実践教育訓練給付金制度および教育訓練支援給付金は初めての利用でした。
言語聴覚士は対象となる資格
言語聴覚士は国家資格の中で名称独占資格という分類になり、対象の講座になっています。
ちなみに他の名称独占資格であるリハビリテーション職の理学療法士・作業療法士も対象講座です。
専門実教育訓練給付金制度の認定校を探す
山梨県在住だったので、関東エリアの言語聴覚士養成校で、専門実践教育訓練給付金制度の認定校を探すと・・・
・東京都 多摩リハビリテーション学院専門学校 2年昼間制
・東京都 東京医薬専門学校 2年夜間制
・神奈川県 茅ヶ崎リハビリテーション学院 2年昼間制
夜間制だと教育訓練支援給付金がでないので、昼間制の学校を選択しました。面が割れてしまうのでどこを選んだかはナイショです。
厚生労働省のサイトでこういった内容は調べることができます。参考までにPDFのファイルを引用させて頂きます。
引用元:厚生労働省公式HP
実際に支給された金額
たいだいですが、僕の選んだ専門学校は学費トータルが240万円(諸経費込み)程なので、専門実践教育訓練給付金が卒業後1年以内に国家資格合格&就職なら最大で98万円まで支給されます。
教育訓練支援給付金も使うので、僕の場合だと2年合計で230万円程の支給だったかと思います。
実際に申請を終えての注意点
僕は山梨県在住だったのでハローワークでの手続きが苦労しました。山梨には認定校がないので、職員の方も詳しい方が少なく、ハローワークに行くたびに話をするのが大変でした。
資料渡されて「目を通して必要資料用意して下さいね」くらいのことしか言われなくて勘違いしやすい点がどこなのかわからず、かなり困りました。
その結果、教育訓練支援給付金と失業保険の待機期間と基本手当ての注意書きを見落として見積もりよりももらえる金額が少ないことに気づいたのが入学後でヒヤヒヤしました。
学校の近くに管轄を移管してからは職員の方が慣れているのでとても助かっています。なので、移管する旨を伝えたうえで学校近くのハローワークに電話をかけて聞くほうがいいかもしれないです。
とにかく受給資格の確認、申請のタイミングや期間は確実に把握して早めに行動しておくことをオススメします。
また、受給総額がいくらになるのかといったお金の算段もある程度早い時期からやっておいた方が学校生活を快適に過ごすことができます。勉強が吐くほど忙しくなるので、お金の心配はさっさと解決しておくほうが無難です。
ちゃんと勉強をして将来に生かそう
社会人になってから勉強を改めて行うのはかなり大変です。僕の場合は、週5日の1日4限(1限100分)授業でした。
一日の勉強時間は授業も含めれば8時間以上は勉強していたと思います。この生活を働きながらするのはかなり厳しいと思われます。
ですので、こうした国からの補助で勉強に集中できたことにとても感謝をしております。
いかがだったでしょうか?あまり知られていませんが、個人的にはスゴイ制度だと思います。キャリアアップや転職、フリーターからの脱出を考えている方は一度検討してみてはいかがでしょうか?
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