十字架の丘とは?
小高い丘の上に無数の十字架が置かれている神秘的な場所です。
その数は5万本以上と言われており、現在も多くの巡礼者や訪れた人々によって数を増やし続けている。
しかしながら、この場所は墓地でもなければ聖人の遺物がある訳でもありません。
この場所に十字架が置かれる起源となったのはリトアニアがロシア帝国領土下に置かれた1795年に遡ります。
自国をロシア帝国から解放する為に1831年11月、1863年1月の2度に渡り、リトアニアはポーランドと共にロシア帝国に対して蜂起します。
結果としては2度とも失敗に終わり、蜂起した反乱兵の多くが処刑や流刑される事となりました。
その遺族や地元住民が弔いの意味で遺体の代わりに十字架を置いた事が十字架の丘の始まりになるそうです。
以後、この場所はリトアニア人にとって重要な場所となり、1944年~1990年再びソ連の統治下に置かれる事になった際もKGB(ソ連秘密警察)やロシア軍により破壊されたり、撤去された丘に人目を盗んで十字架を置き続けたそうです。
非暴力による民族抑圧からの解放や宗教の象徴として現在も世界中の巡礼者が訪れる場所になっています。
この場所は今現在も特定の管轄者のいない中立地帯となっており、誰でも自由に丘に入り十字架を建てる事が出来ます。
場所はどこにあるの?
リトアニア共和国にある「シャウレイ」という街から北東12kmの場所にあります。
ラトビア首都リガからの方が近いですが、リトアニア首都のヴィリニュスとちょうど真ん中くらいの場所に位置します。
十字架の丘へのアクセスは?
今回は、僕が実際にバルト三国を旅行した際に使った方法を紹介したいと思います。
ルートとしては
リガ(ラトビア)⇒シャウレイ(リトアニア)⇒十字架の丘⇒ヴィリニュス(リトアニア)
リガから途中で十字架の丘に立ち寄り、そのままヴィリニュスまで行く十字架の丘日帰りコースになります。
ラトビアの首都リガからシャウレイ
リガからシャウレイ(Siauliai)へはバスで向かいます。
バスチケットはこのターミナルからでも買えますが、シャウレイ経由のバスは人気の為、2~3日前からでないと希望の時間に乗れない可能性があります。
なので、今回はLux Express社のWebサイトから2日前に予約を取っておきました。
値段は11.5€でした。
Lux Express公式Webサイト⇒コチラ
Lux Expressの予約方法⇒コチラ
注意しなければならないのが、シャウレイ行きのバスはLux Express社が運行しているものではなく、別のバス会社が運行しているチケットを代行して販売しているだけなので、
電子メールのチケットを必ずプリント印刷して持っていかなければ乗車出来ません。(Lux Express社は印刷は不要。電子メールのみでOK)
また、予約する際の行き先はSiauliai(シャウレイ)で予約出来ますが、実際に乗車するバスはカリーニングラード州と呼ばれるロシア領行きのバスに乗る為、シャウレイには途中下車という形になります。
シャウレイが終点にならないので乗り過ごさないようにしましょう。
僕はLux Expressの立派なバスが来ると思っていたので、間違えたのかと思ってビクビクしてました。
しかもバスチケットをプリントアウトしていなかったので、あわててリガのバスターミナル内にあるLux Expressのカウンターへ駈け込んで印刷してもらいました。
バルト三国は親切な人が多いので助かります。
バス内はやっぱり満員でしたが、意外と快適。
初夏だったので菜の花畑が本当に綺麗。
田園地帯のド真ん中を走り抜けていきます。
シャウレイに着いたら
シャウレイに着いたらまず荷物を預けましょう。
小さいバスターミナルなのですぐにわかります。
営業時間は
平日 6:00~19:00
土曜 6:00~18:00
日曜 8:00~16:00
昼休み 11:30~12:30
になるので、日帰りの場合は十分注意しましょう。
料金はバッグの重さ、大きさで変わるようで、僕の記憶では2~5€くらいだったと思います。
シャウレイ自体は世界大戦の際に多大な被害を受け復興した新しい街なので、観光するような場所は少ないです。
ですので、時間がきつければ無理に観光に組み込む必要はないかもしれません。
ちなみにシャウレイのバスターミナルの場所はココです。
シャウレイからドマンタイ(Domantai)へ
まずはバスターミナルのカウンターで十字架の丘へのバス運行表をもらいましょう。
ここではチケットは買えません。
英語は普通に通じますので、十字架の丘に行きたい旨を伝えれば大丈夫です。
なくさずにしまっておくか、スマホで写真を撮って保存しておきましょう。
左側がシャウレイ⇒ドマンタイ、右がドマンタイ⇒シャウレイ。
運行表を貰ったら、12番のバス乗り場へ行きバスを待ちます。
バスが来たら、十字架の丘の最寄り駅であるドマンタイ(Domantai)というバス停が行き先になりますので、行き先を運転手に告げて直接チケットを購入しましょう。
英語は普通に通じます。
値段は0.86€。
所要時間は20分程です。
あとは乗り過ごさないように注意しましょう。
僕の時は運転手さんが声をかけてくれたので心配はいらないかもしれませんが、念のためMAPS.MEというオフライン地図アプリのGPSで確認する方法もあります。
ここまでの手配をするうえで役に立つ記事をまとめておきましたので参考までにどうぞ。
・チケット購入時、語学力に自信のない方はコチラを。
・MAPS.MEの使い方はコチラを。
ドマンタイから十字架の丘へ
ドマンタイのバス停に到着したら、ココからは徒歩で2km程歩きます。
ドマンタイのバス停の場所は残念ながらGoogle Mapには載っていません。
A12号線から4033号線への分岐があるのでそちらへ入り、十字架の丘を目指します。
ちなみに地図アプリのMAPS.MEでは表示されるので「Domantai」と検索してみましょう。
行きのバス停と帰りのバス停が違うので注意しましょう。
土の香り漂う田園風景を眺めながらブラブラ歩いていればあっという間に着きます。
十字架の丘を巡礼しよう!
十字架の丘の入り口にはお土産屋さんが並んでおり、そこでは丘に供える為の十字架が販売されています。
値段はピンキリですが、安いものだと1~2€からあります。
思い出作りに十字架を丘の上に供えて、祈りを捧げてみましょう。
十字架の丘には入場料はないので、引き続き丘を目指します。
丘が遠くに見えてくるとワクワクします。
特に入場が禁じられている場所はありませんが、無理に十字架の山に踏み込んで丘を荒らすのは絶対に辞めましょう。
大小様々な十字架が置かれています。
遠くから見るのも綺麗ですが、間近でみると無数の十字架に圧倒されます。
初夏で花が咲き乱れていたので十字架と相まって神秘的な景色でした。
僕も2€で十字架を買ってお祈りしてみました。
自力で行く際の注意点
・5~6月でも結構寒いので防寒着は必須です。日本の初冬くらいの寒さがあり、僕が行ったときは横殴りの暴風が吹いていました。
・バルト三国自体が晴天が少なく、天候が不安定なので雨具はあった方が良いです。
・日帰りで行く場合は始発を使わないと時間的に厳しいです。僕もリトアニアのヴィリニュスに到着したのは23時くらいの深夜でした。
・日帰りの場合、シャウレイに到着した時点で次に向かう都市へのバス時刻を確認しておきましょう。
特にリガへ向かう場合は便が少ないので注意が必要です。
リガから十字架の丘経由でヴィリニュスに向かうルートが一般的だそうなので。
僕が訪れた2016年時の最終バスの時間は以下の通りでした。
シャウレイからヴィリニュス | シャウレイからリガ |
直行便は17:35分、経由便は19:00。 | 直行便はなし。経由便は20:15。 |
バスターミナルのカウンターではチケットは購入出来ず、運転手さんから直接購入したかと思います。
どのみち、時間はカウンターで教えてもらうので合わせて聞いてみましょう。
バスターミナルのカウンターは20:00で閉まりますのでそれまでには聞いておきましょう。
終わりに
バルト三国というあまりなじみのない国で辿り着けるか心配かもしれませんが、親切な人が多く旅行もしやすいと思います。
TVでも話題になった神秘的な秘境へアナタも行ってみてはどうでしょうか?
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